美大生の“部活”の芸術祭「HAPPENINGS」開催

やりたいことをやってみる、美大生の部活の芸術祭「HAPPENINGS」第2回がBUKATSUDOにて開催されました。「love happenings 愛せよハプニング」をテーマに、大学の枠を超えて全国から集まった美大生による6つの部活の展示やトークセッションの様子など、当日のレポートが主催のD-LANDから届きました。

それぞれの部活の展示について紹介いたします。

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グラフィックTシャツ部「NEW UGLY」

ギリギリダサいダサくないの境界線のグラフィック表現をテーマに、美大生15名がオリジナルTシャツをデザイン。当日は、デザインした美大生自身がTシャツを着て、QRコードを読み込むと注文できるTシャツの展示販売をしていました。自身の幼少期に注目したり、趣味をデザインエッセンスにしたり、各々がユニークなアプローチでデザインしたTシャツからは、見る側としてダサさと、可愛さや格好良さの境界線を揺さぶられるような感覚を覚えました。

 

クリエイティブコーディング部「.pdc」

パソコン大好きクラブ、略して「.pdc」は和室をテーマにプログラミングを取り入れたメディアアートのインスタレーションを展示しました。光を活かす作品が多く、会場は暗室に。入場すると目の前に広がるのはデジタル日本庭園。その作品に代表されるように、庭園や一輪挿し、読経など、「テーマ×美大生の視点」を部員の数だけ楽しめる、体験が新鮮でした。

 

VR部「TRY NEWVIEW」

Red Bullの協力で「キマる」VRとRed Bullのドリンクを楽しめる展示でした。美大生が創作したVR空間は全部で3種類。VR機器を利用して、VR空間内をリモコンや体の向きで自由に鑑賞できる体験は、鑑賞者本人だけが感じることのできるワクワク感でいっぱい。VRから現実に戻ったとき、空間だけでなく時間感覚も移動していたことに気づき、ほんの少しの疲労感を得た体にRed Bullが染み渡る気持ち良さも味わえました。

 

紙部「紙部」

印刷加工連と美大生のコラボで、紙モノの商品化を果たした部活です。展示では、グッズ販売のほか、制作過程を記録したオリジナル冊子「カミブック」も販売。この冊子がこだわりモノで、紙部の美大生メンバーと印刷加工連のメンバーの対談インタビューの記事などが企画ごとに袋とじされていたり、紙の専門商社「竹尾」の協力で各企画ごとに異なるファインペーパーを使用していたり。プロジェクトを記録媒体に残すという取り組みさえも、紙の可能性を探ることに力を入れた美大生たちの創作意欲の熱を感じました。

 

メディア表現部「Materia」

アルミをテーマに創作された4点を展示。間接照明をはじめ、吊るしたり置いたりして鑑賞できる作品、アルミと言えば…で思いついたモノを模写した作品を鑑賞していると、素材本来が持つ質感や形状の特徴に改めて気づかされました。グラフィックTシャツ部や紙部の会場と同じ空間に展示されていることで、Materiaの作品がより際立っていたことも印象的。会場に入るとすぐ目に入る作品群に自然と歩み寄る鑑賞者の姿もちらほら見受けられました。

 

旅と写真部「myeye」

西武線沿線5駅を旅した写真と映像を展示しました。FUJIFILMのWALL DÉCORというサービスでそれぞれのベストショットをパネル化。写真をベースに制作した映像は、実際に西武線の車内のサイネージでも放映されています。駅は利用客によって感じ方が変わることを露わにした作品群は、きっと最寄駅として利用する人に駅やまちの新しい魅力を気づかせてあげる表現になっているんだろうと思いました。駅やまちの温もり、味わい、幸福感が切り取られていて、ふつうの駅といえども同じ駅は一つとしてないことを改めて知りました。

 

社会に出ても「やりたいことをしたい」美大生たち

12時に開場すると、鑑賞者をはじめ、美大生メンバー自身も各々の展示を見て回り、楽しい時間を過ごします。14時からはグラフィックデザイナーの小林一毅さんを招いたトークセッションもスタート。小林さん自身、多摩美術大学に通う頃から課題や自主制作に取り組み、社会に出てからも自身の創作活動を続けているというエピソードが語られました。

美大生にとって、卒業後も自主的な創作活動を続けていけるかどうかは関心事のひとつ。「どうすれば仕事と創作活動を並行していけるのか」という疑問に、小林さん自身が実践していることで答えてくれた内容には、美大生の先輩として、温かくも真剣なメッセージが溢れていました。小林さんの1日や1週間のタイムスケジュールに、自分の創作ライフを見直した鑑賞者や美大生も多かったはずです。

会場では、小林さんのインタビューとグラフィックデザインを掲載したポスターマガジン「D-LAND PAPER」も配布されていました。小林さんがデザインしたポスターは、24時間を刻んだ1日用カレンダーになっていて、偶然にもトーク内容を思い起こすのにうってつけ。トークコーナーの後、持ち帰る人は多かったです。

 

最後は公開ラジオでふりかえり

18時に閉会するHAPPENINGSのラストは、各部活のリレートークで進める公開ラジオが飾りました。まるで、日頃からコミュニティラジオのパーソナリティをしているかのように、部活について流暢に話す美大生たち。この日まで、改まった形で部活を振り返ることは少なかったはずですが、ラジオの時間で振り返ってみると、熱心になった時間や楽しかった時間を思い起こすことができ、自然と笑顔が溢れていました。

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鑑賞者としても、楽しそうな様子でHAPPENINGSのフィナーレを迎えていく美大生たちに、温かい気持ちを感じることができました。この芸術祭は、第3回を予定しています。
次はどんな作品の鑑賞体験が待っているのか、今から楽しみです。美大生のみなさん、本当にお疲れ様でした!

 

<イベント概要>
HAPPENINGS 2019AW – やってみたいことをやってみる美大生の部活の芸術祭
日時:2019.11.30(sat) 12:00〜18:00
会場:BUKATSUDO 入場無料
主催:株式会社ディーランド
特別協力:BUKATSUDO(株式会社リビタ)
協力:武蔵野美術大学、WALL DECOR(富士フイルム株式会社)、株式会社竹尾、Allright、印刷加工連
後援:横浜市文化観光局、公益財団法人横浜市芸術文化振興財団


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