art is calling10_千々和佑樹「メドゥーサと14」

横浜、神奈川やその周辺で活動する若手アーティストによる作品展示とトークイベントを1セットに、アーティストが次のアーティストをリレースタイルでつないでいくBUKATSUDO GALLERYの企画展「art is calling」。
作品を見せる側のアーティストも、その作品を間近に楽しむことができる来場者も、街中で知り合いと挨拶するようなアットホームな感覚でアートと出会え、それがゆるやかに続いていく場にしたいという思いが込められています。

次にバトンを受け取ったのは、千々和佑樹 さんです。
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平下 英理

千々和佑樹

千々和さんの作品をはじめて見たのは2020年の黄金町バザールで、厚みのある絵画と垂木の木枠や直方体が乱立する空間は強く印象に残っていました。
画布が歪な木枠をたっぷりと包み、有り余る質量を持って見えたのが特に目を引いたのを覚えています(注)。絵は、なだらかな起伏のある不安定な画面の上で、制御された形とゆだねたような筆触によって限定的に描かれていました。
まっ平らではないキャンバスと日常的なものが描かれている描画面が強い結びつきを持っていたように思います。
会期中は千々和さんに会う機会がつくれず、1年後にその展示されていた場所で、本人と話ができました。制作の推進力にするためのアイデアを持っていて、キャンバスをユニークな考え方で捉えているので、次はどのような作品が作られるか楽しみです。
アーティストからアーティストへ繋いできたart is calling で、伸び伸びとした開放的な作品が見られるのではないかと思っています。

注)
私はこの時の展示で、実際にはすでに外されていて存在しない木枠が、絵画の内側にあたかも有ると信じ込んでいました。存在しない14号サイズを見ていたということに、自分の見る目を疑うことになります。

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art is calling10_千々和佑樹「メドゥーサと14」

私は14をきっかけに作品を作り始め、今に至る。14号のカンヴァスを買おうと探したとき、既製品に14号の大きさが無かったときから14との関係がはじまった。 今では14に含まれる意味が自分自身とどこか重なり、14をきっかけとしているようにも思う。象徴的なものでは、東洋思想での「満月、十五夜の15を完全として、それに一つ足りない14を不完全とする」がある。 今回、絵の主題としたメドゥーサはギリシア神話に登場する醜い怪物とされる。 宝石のように美しい目で、見たものを石に変える。 元々は絶世の美女であり、海神ポセイドンの愛人でもあった。ある時、処女神アテネの神殿で二人は交わったためにアテネの怒りを買い怪物にされてしまう。 また2人の姉は不死身であったがメドゥーサはそうではなかっため、後にペルセウスに討ち取られてしまう。 メドゥーサは絵画の歴史の中で度々、絵の主題とされてきた。私はメドゥーサに14性また不完全さを感じ、メドゥーサを14の象徴の一つとする。

バナー写真:《怠惰なる節制のうつろへ》2021年、インスタレーション・N14号(63.7×63.0cm)、木材、帆布、油絵具、樹脂 300.0×300.0×300.0cm 写真:「群馬青年ビエンナーレ2021」

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日時:3/14(月)~27(日)
場所:BUKATSUDO GALLERY ※アクセスは【こちら】から
参加費:無料
※感染症対策のため、マスク着用・アルコールでの手指消毒にご協力をお願いいたします。

<アーティストトーク>
日時:3/26(土)19:14~
ゲスト 東地雄一郎
BUKATSUDO Instagramアカウントから配信。

【プロフィール】
略歴
2017 東京造形大学美術学科絵画専攻卒業

展示
2021 「黄金町バザール2021」(site-A、神奈川)
2021 「群馬青年ビエンナーレ2021」(群馬県立近代美術館、群馬)
2020 「黄金町バザール2020」 (ステップ・スリー、神奈川)
2019 「Between」(1の1スタジオ、神奈川)
2017「うつろ/blank communication」(kisai、東京)


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